75歳以上の後期高齢者医療費自己負担二割化に反対します

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 髙橋 淳

政府・与党は、75歳以上の医療費窓口二割負担の対象者を「年収200万円以上」とすることで合意しました。実施時期は2022年の後半とされ、全世代型社会保障検討会議で12月14日に最終報告としてまとめられました。

新型コロナウイルス感染が拡大し、受診控えによる健康への影響が懸念される中、負担増が実行されれば、病気やケガのリスクの高い75歳以上の高齢者が経済的理由で受診を我慢し、さらに病状を悪化させることになりかねません。

厚労省の試算によると、二割負担となる対象者は約370万人とされていますが、高齢者は複数の病気を抱え長期間にわたっていくつかの医療機関を受診するため、一人当たり年間3万4千円の窓口負担増になると見込まれます。これを年収に対する窓口負担額の割合でみると、75歳以上は他世代の1.7倍という実態になっています。生活を支える柱である公的年金が減り続ける中、後期高齢者の医療費自己負担を二割にすることは、高齢者の生活にさらに厳しい追い打ちをかけることになります。

医療福祉生協連は、高齢者のいのちと健康をおびやかす後期高齢者医療費の自己負担二割化に反対します。安心して医療機関を受診できるよう自己負担を軽減することが、重度化を防ぐとともに結果的には医療費を減らすことにつながると考えます。

首相と与党による合意を受けて、2022年度後半の実施に向けて次期国会に法案提出が予定される見込みです。引き続き撤回・中止を求める運動を強めていきましょう。

以上