2018年10月16日
日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明
経済財政諮問会議は2018年6月5日に骨太方針(原案)を提示しました。その内容は財政制度等審議会の建議を承認するものであり、社会保障分野の基本方針は給付の増加を抑制することが、経済成長につながるというものでした。
その分野に挙げられている重点課題の一つとして、後期高齢者医療費の自己負担を原則1割から2割に上げる審議がされています。社会保障審議会においても審議が開始され、遅くとも来年の通常国会には改正法案が提出されることが考えられます。
高齢者の多くは年間所得100万円未満であり、いまでも厳しい生活状況です。生活を支える唯一の公的年金は減り続け、年金収入が生活保護基準を下回る世帯は3割に迫っています。さらに10月15日の臨時閣議では来年10月1日からの消費税10%への引き上げが表明され、実施されると厳しい生活に一層の拍車がかかります。
こうした経済状況の中で、後期高齢者医療費の自己負担を2割にすることは、経済的理由で受診できない高齢者を増やす可能性が高くなります。
わたしたちは、安心して医療機関に受診できるよう自己負担を軽減することが、重篤化を防ぎ結果的には医療費を減らすことにつながると考えます。
医療福祉生協連は、高齢者のいのちと健康をおびやかす75歳以上の後期高齢者医療自己負担の原則2割化に反対します。